【とつとつメモ】1~とつとつダンスpart2 愛のレッスン~

Posted by on 11月 21, 2014 in Staff Blog, とつとつダンス part.2 愛のレッスン | 【とつとつメモ】1~とつとつダンスpart2 愛のレッスン~ はコメントを受け付けていません。

【とつとつメモ】1~とつとつダンスpart2 愛のレッスン~

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【とつとつメモ】1  ~誰の『愛のレッスン』なのか?


ダンス公演『とつとつダンスpart2 愛のレッスン』は、京都府北部の舞鶴市の片隅にある特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」(以下グレイス)で「シリーズとつとつ」という一連のワークショップを4年間積み重ねていくうちに、自然に立ちあがってきた企画です。

何の前知識もなしにみたら、もしかしたらダンサー・振付家の砂連尾理(じゃれおおさむ)単体の作品であり、いわゆる滞在制作型の公演と捉えられるかもしれません。でも、そうではないのです。


part2というからには、part1がありました。
2010年に舞鶴で『とつとつダンス』(砂連尾理演出)を公演した際は、確かに「ダンス公演」のために、僕らが砂連尾さんに依頼をして「ダンス公演のために」グレイスで滞在制作をしてもらったのでした。

そこから、『とつとつダンス』でお世話になったグレイスが主催で、
「老人ホームで学ぶ『シリーズとつとつ』」(torindoは「協力」)がはじまり、
砂連尾理さんや、アフタートークでお世話になった看護師・臨床哲学者の西川勝さん、そして人類学研究者として豊平が、4年間毎月ワークショップを続けてきました。

職員さんや入居者に向けて、だけではありません。地域で様々に生活しているホームと関係のない若者も顔を出してくれるようになりました。
それはさながら、地域に開かれた小さな不思議なゼミみたいなものでした。身体も含めた思考のとつとつトレーニングのゼミです。認知症の方や身体が不自由な方も、老いも若いも関係なく集まりました。
映像作家の久保田テツさんや、美術家の伊達伸明さんや、「わざ」研究者の藤波勉さん、その他にも多くの日本有数の方々が気楽にゲストとして遊びに来てくれます。全国のどこにこんな老人ホームがあるのでしょうか?

ダンス+哲学+人類学+アート・・・・etc。様々な幸運にめぐまれ、「シリーズとつとつ」はグレイスで着実に形になっていきました。
成果発表としてのダンス公演なんて、急かす人は誰もいませんでした。だって、「とつとつ」ですから。

そんな中で今回の『とつとつダンスpart2 愛のレッスン』です。
舞鶴、大阪公演の来場者の中には、ほめてくださった後で「公演なんてする必要あったの?」「結局、滞在制作なんじゃないの?」と仰られた方もいらっしゃいました。

どういうきっかけだったかは今もう思い出せません。ただ、砂連尾さんが言い出したわけでもなく、グレイスやtorindoが言い出したわけでもなく、
自然に関係者の中から「もう一度ダンス公演したいね」と立ちあがってきたのです。とても不思議な感覚でした。
積み重ねてきたものが、ぽんっ、とダンス公演を産み出したのです。まるでそうすることが当然のように。

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愛のレッスンチラシ裏小チラシの裏をご覧になったことがあるでしょうか?
左側の写真です(☆チラシPDF☆)。

小さな写真で申し訳ないですが、砂連尾理を中心に、いろんな関係者がまるで星座のように、ちりばめられています。デザイナーの納谷衣美さんによるとても素敵なデザインです。

僕が思うにチラシが表しているのは、ある意味で誰が主体でもないということです。あえていうなら、すべてが主体ということでしょうか?

 

 

 

 

 

torindoは公演のマネージメントをしています。
砂連尾さんは舞台の演出をしています。
久保田テツさんは舞台上で展開する映像をつくっています。
伊達さんはウクレレを弾いたり、朗読したり、はては小道具をつくったりしています。
サウダージブックスはブックレットを作ってくれました。
グレイスはみなさんで公演に協力してくれています。

そして、出演者であるグレイス入居者の岡田邦子さんは身体が不自由な上に、
舞鶴公演後、透析を受けなければいけなくなりました。
にもかかわらず、快く舞台出演を引き受けてくださっています。

誰が、というわけではないのです。
誰もが自然にこの小さな不思議なゼミを真剣に人に観てもらいたくなったのです。
そして、お互いができることを持ち寄ったらダンス公演『愛のレッスン』になったのです。

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僕は、「とつとつダンス」を今いろんな人に観てもらう必要があるように感じています。
大きな声ではいいませんが、実は切実にそう思っているのです。

2010年に伊達さんが書いてくれた詩があります。
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〈とつとつな音〉
作:伊達伸明(美術家)

目標達成欲の強い人は、とつとつが許せない。
それが発展途上に見えるから。
仕切るのが好きな人は、とつとつが許せない。
それが牛歩戦術に見えるから。
オチがないと気がすまない人は、とつとつが許せない。
それが阿吽の呼吸に依らぬから。
若さの秘訣は?などという人は、とつとつが許せない。
それが身体の限界に見えるから。

未整理の過去と手さぐりの未来との間に
点描でしか描けない現在がある。
それを描く音、とつとつ。
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最近、新幹線の窓からみえる風景のように、すべてがどんどん加速しているように感じます。
しかも、「新幹線の車窓から」という注釈が抜けて、だんだんその風景だけが現実味を増しています。
いったん電車を降りてしまえば、そこには生活があり、言葉にならない無数の考えや身体があるのに。

僕は、砂連尾さんたちが示すとつとつとした所作に、現在を考える、そして生き抜くヒントがあるように思います。
頭だけで考えるのではなく、身体だけで考えるのではなく、
改めて、考えること、表現すること、そういった諸々を、
とつとつとそのまま全的にみつめることからはじめてみればどうでしょうか?

そのきっかけをこのダンス公演は与えてくれるのではないか。
そんなことを思うのです。


豊平torindo 2014.11.21

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