【レポート】文化人類学カフェ20140726

Posted by on 8月 2, 2014 in Staff Blog, まいづるRB, 老人ホームで学ぶ、シリーズとつとつ | 【レポート】文化人類学カフェ20140726 はコメントを受け付けていません。

【レポート】文化人類学カフェ20140726

あるテーマに基づいて、グレイスヴィルまいづるの職員さんはもちろ
ん、小中学校の教員、新聞記者、主婦、造船所職員、移動カフェマス
ター、はたまた大学研究者や芸術家など、幅広い人々と共にひたすら
真剣に雑談するカフェ。結論は出しません。
マスターの文化人類学者の豊平豪と常連さんの西川勝と共にゆるい、
でも大真面目な場を作る。ここ最近のテーマは「ファッション?」「
髪の毛について」「家?」などなど。

テーマ「ちょっと番外編:アートプロジェクトって??」
日時:2014年6月20日(金)19:00~20:30
マスター:豊平豪(文化人類学研究者)
常連さん:西川勝(臨床哲学者・看護師)
ゲスト:北澤潤(現代美術家)
    淺野卓夫(サウダージブックス)
参加者:10名
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告知テーマは「履物」だったのですが、
急遽まいづるRBの企画「時間旅行博物館」で来鶴していた、現代美術
家の北澤潤さんをゲストにお迎えして、「アートプロジェクト」とい
う言葉を入り口にいろいろ話してみました。

今回の結論は、「「屋/家」って何が違うんだろう?」でした。
結論じゃなくて、新たな疑問がでてきた感じです。
いやー楽しい。

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以下話の断片メモ。
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まいづるRBが行う赤れんが配水池での企画「時間旅行博物館」ですが
(公開は10月18日~)、これは一般参加者から募った時間旅行学芸員と
共に、舞鶴の過去・現在・未来をめぐる時間を展示するアートプロジ
ェクト。

アートプロジェクトとは、もっとも広義の意味では「美術館の外で行
うアート」のこと。いわゆる美術館に陳列されるものではなく、野外
の風景の中に配置された作品から、地域の人たちと一緒に作品を作り
上げるもの、一般参加者自身が企画・運営する仕組みを作りだすもの
。北澤さんがこれまでやってきたプロジェクトも、参加者自身が最終
的には運営していきます。仕組みづくりというアートですね。

北澤さんをはじめとして、数多くのアーティストや評論家なんかが、
アートプロジェクトを「祭り」の例えで語ることがあります。

さて、どういうことなのでしょうか?

IMG_5622最近の観光客誘致のお祭りとは異なり、本来「祭り」には真に外部の 観客は一人しかいません。神様です。神の下で、すべての人が運営者であり、鑑賞者です。

人類学者ファン・へネップが指摘したように、神の下で行う祭りには三つの段階があります。分離・移行・統合です。この世の社会秩序から離れ、あの世の社会秩序の中で遊び、再びこの世の社会秩序に戻ってくる。

現代の我々が身体の休みをとっている、仕事と仕事の合間に「 祭り」は行われていたわけですが、これは身体の「回復」ではなく、 心身の「再生」でした。

 

さらに人類学者ヴィクター・ターナーが、へネップの考えに追加して、「移行」という祭りの第二段階に注目した「リミナリティ」という言葉を打ち出します。

この世とあの世という二つの秩序の間の曖昧な時期。ここに「コミュニ タス」という状況が生まれます。簡単にいうと、みんな平等ってことで す。祭りの場合は、神の下での平等ですね。無礼講といってもよいかもしれません。とことん騒ぎ、そして現実に戻ってくるのです。

アートプロジェクトという一般参加者を募って行うアートではまさにこの「コミュニタス」という状況が生まれると北澤さん。

地縁でも血縁でも、社縁でもない、今の日常生活では混じり合うこと のない人たちが集まってきます。宗教が本来はコミュニタスの創造を担っていたのでしょうが、現在それを可能にしているのが、アートではないかという西川さんの意見でした。宗教家というと胡散臭い感じが抜けませんが、アーティストっていうと今は許される、なんてことがあるかもしれません。

 

IMG_5623ところで最近、西川さんは「臨床哲学者」ではなく、「哲学の活動家 」と自称しているそうです。

「活動家」とはいいますが、「活動屋」は聞いたことがないですね(もっとも淺野さんによると活動屋といえばブラジルでは映画人のことらしいです)。「芸術家」とはいいますが、「芸術屋」とはいいません。「屋/家」の違いってなんでしょうか?八百屋とはいいますが、八百家ともいいませんし。

今回は「家」というと何らかの権威を背負っている、つまり綿々と連なる何らかの流れの中に位置しているのではないかという話になりました。噺家とかもそんな感じしますね。とはいえ、相変わらず結論は出ないのでした。

 

 
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